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著者は米国人のライターで、英国人の夫と3人の子供と共にパリに住んでいる。本書は第1子妊娠から下の子がクレイッシュ(保育園)に入園後までの育児体験を描いている。
本書を読んでいると、子育てに絶対の正解は存在しないことを痛感する。アメリカとフランスでさえ育児の常識が全く異なる。本書によれば、英米式の育児法は四六時中子供に注目し、子供の要求に応え続ける。一方、フランス式の場合、主導権は親にあり、待つ習慣を子供に身につけさせることが親の義務だと考えている。
英米式の育児の方が日本の育児の常識に近いように感じた。本書に出てくるフランス式育児のうち、日本でも取り入れられそうな内容を書き出してみる。
夜中に乳児が目を覚ましても、すぐにあやさずちょっと待つ(第三章)
本書の邦題にもなっている乳児の夜泣き防止のためのテクニック。ちょっと待つ理由だが、赤ちゃんには二時間の睡眠サイクルがあり、その谷間に目を覚ます。ここで親があやしてしまうと、赤ちゃんが睡眠サイクルを自力でつなげる学習が妨げられる。 待つ時間は人によるが5-10分という例が出ていた。
子供が待つ機会をたくさんつくる(第四章)
待つことが上手な子供は欲しいものから注意を反らせるのことができる。ただし、このテクニックをわざわざ親が教える必要はない。たいていのフランス人は子供に待つことを学習する機会をたくさん与えているだけだ。
お菓子作りはきちんと計量したり材料を並べたりするため、忍耐力を学ぶ絶好のチャンス。
少量でもなるべく多くの食材を食べさせる(第九章)
子供にはなるべく大人と同じメニューの食事を食べさせる。一口でも構わないので、全ての料理を必ず口にさせる。そうして様々な食材の味を覚えてもらう。その結果、フランスでは子供が大人と同じ料理を食べるので、レストランにはアメリカのようなハンバーガーにチキンナゲットというようなキッズメニューは存在しない。
最終章は、著者と夫と3人の子供がレストランでフルコースを食べる場面で終わる。著者が苦労しながらもフランス流育児に取り組み、一定の成果を上げたことを象徴している。未就学児を抱えてレストランで食事をすること、これがどれだけ難しいか子供を持つ方ならみな共感してもらえるのはないだろうか。
ところで、私は料理が大の苦手で、うちでの食事の仕度はもっぱら夫の担当だ。それでも本書を読み、子供と一緒にお菓子作りをしてみたくなった。手始めに今週末に簡単なレシピでパンを作ってみようと思う。
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